ただ生きているだけで

毎日つらい、でも楽しい。

ただ生きているだけで

 

わたしはジャニーズの虜になってしまった。

どうしてだ、なぜなんだろう。こんなはずじゃなかった。生きているだけでかわいいなんてずるいではないか。生きているだけでかっこいいなんてずるいではないか。もう愛着が湧いてしまえばそこから抜け出すことは容易いことではないはずだ。もうそう言っている時点でわたしは少し諦めてしまっているのかもしれない。だっていつ何時もかわいいし、かっこいいのだ。そして今、わたしを動かしているのはジャニーズだ、詳しく言うとキスマイが7割りを占めており残りの3割りはジャニーズ全般だ。わたしの人生にこんな転機が訪れる予定はなかった。あるはずがない、私は普通の女子だったのだ。そう、女子。今の私は絶対的に女子ではない。女でもないかもしれない。ただのカスだ。女子だったわたしはなぜジャニーズに触れてしまっただけでカスになってしまったのだろう。今のカスから女子に戻るにはたやすいことではない、どれだけ階段を上れは女子の位置に戻れるのだろう、そして戻りたいという意欲が湧くのだろう。つらい。けど辛くない。そう思っている自分がつらい。何を言っているか分からないが、ただ伝えたい事は27歳にもなってわたしはジャニヲタをやっていると言うことだ。

 

始まりは友人の「キスマイの玉森かわいいよね。」という悪魔のような言葉だ。失恋していた私に彼女はそんな事を言った。しかしその彼女は既婚、子ども3人、マイホームを購入した女子であり、主婦であり、世間一般的には勝ち組である。そんな勝ち組を失恋していた私は主婦になるとテレビしかきゅんとできないのか、かわいそうになんて思っていた。心の底から謝るから「キスマイの玉森かわいいよね。」と言ったことをなしにしてほしい。どうしてそんなことを言ったのだ。ジャニヲタでもない彼女がテレビの話をする時に言うぐらい玉森祐太かが可愛いからだ。それは仕方がない、だって実際可愛いのだ。ジャニーズという人種にかつて一度もはまったことのない私までもがはまってしまうぐらい可愛いのだ。

 

彼女の言葉はこう続いた。「ATARUおもしろかったから見な~」だった。そうか、おもしろいなら見ようと思った。決して玉森が可愛いと知ったからではない。私にとって芸能人はそんなものだったのに、くっそ。彼女はなんてことを伝えてくれたのだ。私は彼女の言葉を疑うことなく(間違ったことは言っていない)ATARUを見た。どうしてなのだろう、私にも玉森祐太が可愛く思えたのだ。失恋していたからなのか。彼のやる気のなさそうな必死にお芝居してます感がすっと心にはまったのだ。こんなはずではなかったが彼氏もいなくなり休日も誰とも会う気力もなく暇を持て余していた私はスマホで玉森について調べた。暇だという事は怖い、そしてもっと怖いのは簡単に情報が知れるという事だった。キスマイと略すことから知った私には新しいしせょう方が多すぎた。調べれば調べるほど知らない事がでてくる、楽しいと思ってしまった。今までは大好きなBUMPを聞きながら読書がわたしの放課後(厳密に言うと仕事後)の定番だったのにBUMP聞きながらスマホでキスマイ情報集めだ。理にかなっていないではないか。どんな矛盾だ。ナタリー系音楽とジャニーズなんて反対色ではないか、どうしてこうなった。そう、話を戻すと玉森かわいいから世紀の発明とも言えるインターネットを駆使して私はキスマイの情報を手に入れたのだ。

 

彼女にかわいかったと報告した。すると「DVD買ってよ~」と言われたのだ。ここは彼女に土下座して謝ってほしい。わたしを泥沼に落とした張本人なのを未だ認めない。5年後結婚もしていないだろう私を目の前にすれば認めてくれるだろうか。悔しい。しかし低所得な私だが主婦よりかは自由に使えるお金があった。実家暮らしで彼氏もいなくなり暇だったのもあったのでそのままDVDを3枚まとめて購入した。結末は分かると思うが、コンサートを見てしまえばもう最後だ。わたしは終わった。かわいいい!という感情しか生まれなくなってしまった。一緒に見るはずだったDVDを一人で部屋にこもってみたのも駄目だったのかもしれないが、まんまとジャニーズという暗黒の世界へのまれていった。そして未だに彼女とは一緒にキスマイのDVDは見ていないのである。

 

また勝ち組である彼女とランチを食べている時にわたしはキスマイの魅力を語った、かわいかったと。そしたらなんと彼女は「それまずいよ!目を覚めして!」と一歩引いて現実感たっぷりに私に言ったのだ。なんてことだ。あなたが進めたのに!共感してくれにいなんて!ずるい!わたしだけ暗黒に落として!と伝えるが彼女は私の失恋話を蒸し返して現実を見て!と言うのだ。悲しかった。こんなにキスマイがかわいいのに、進めてきた張本人なのに。誰かわたしのキスマイかわいい話を聞いてと思いアメーバブログでブログを始めた。まだそんなにレギュラーも持っていないキスマイへのとどまることのない可愛さを持て余している人がこんなにもたくさんいるのだと嬉しかった。同じ人たちがこんなにたくさんいるのかと!疲れて帰ってきてはブログにたまに出るテレビの感想をつづった。その中で繋がりを持ち、仲間たちとわいわいしているのが楽しかった。仲間と話しているうち初めてCD発売を迎えた。アイノビートだ。手にしてしまったのが最後だった。収集癖のある私はその後の発売物をすべて所持している。もっと言えばそれ以前に出ているCDはすべて購入した。これは収集癖だらだという言葉ひとつで片づけてしまっているが、彼女からすれば取りつかれているという事らしい。キスマイに取りつかれている。いいではないか、本望である。アメブロからもっと情報の早いツイッターを駆使してその彼女の「キスマイの玉森かわいいよね~。」からずっとわたしはキスマイに釘付けなのである。

 

FCに入り、コンサートへ行き、DDなんていう特殊な略し言葉まで覚え、派閥問題や格差に悲しくなったり、たまに出るスキャンダルにわくわくしている。朝起きて情報収集、寝る前に情報収集、昼休みに情報収集と余念がない。こうなってしまったのはいろんなタイミングが重なってのことだ。今ではキスマイ以外もかわいいのだ、ジャニーズって怖い、辛い、でも楽しい。こうやってわたしは彼女の悪魔の言葉から3年と少しを迎えた。毎年の貯金額を少しずつ減るのにやめられそうにない。なぜはてなブログを始めたのかは分からないがこの悲しき今を少しでも綴り、将来ばかだったなーと思える日が来ることを夢見ている。もしそんな日が来ないという事は生涯ジャニーズにおぼれているという事だ。そんな日は来ない事を願うが昨日のMステで舞祭組の完璧な姿を見て泣いたばかりだ。毎日が辛くて楽しい。低所得なわたしは将来が怖いため、個人年金など保険の勉強を始めた。そもそもただ生きているだけで結婚できる顔面でも心のきれいに持ち主ではないのだ、結婚というハードルは藤ヶ谷さんと同じ年齢であるわたしには高すぎるのである。職場は女性のみだ。わたしは女性ですらなくなってきている。ただのカスだ。悲しいが彼女に土下座させる日も近い。

 

ただ生きているだけでわたしを幸せにさせる7人とその他大勢をこれからも辛いと楽しいで過ごしていきたいと思う。